人工知能を用いた褥瘡の診療支援システムの開発

スマートフォンで褥瘡の写真を撮影すると人工知能が解析して、褥瘡を評価し推奨される治療を提案してくれるシステムを開発しました。

 

 


まずは、本研究の背景と目的について、述べます。これは一見のどかな写真ですが、

 

こうしところには、かならず医療過疎が存在します。

多くの場合、在宅医療がありますが、

ご家庭によっては、褥瘡の知識が乏しいことがあります。

医師不足、そして、専門家不足が存在します。

 

一方、こちらは整形外科の単科病院なりますが、

 

整形外科の単科病院ですと、皮膚科医は不在であり、

褥瘡のことはよくわからないといったことが存在します。

 

 

そこで、人工知能で、褥瘡の専門家を育成すること試みてみました。

 

 

 

 

まず、医学書の褥瘡写真を撮影して収集しました。

 

 

 

 

 

その後、データベースを作成しました。

このときは、DESIGN-Rを参考に、4つのカテゴリーを作成し経験20年以上の皮膚科専門医が写真を分類しました。

 

 

 

 

その後、人工知能で深層学習を行いました。

CNNで最適なモデルを作成し、今回の褥瘡支援システムをつくりました。

今回、人工知能が学習した回数は10万回でしたが、学習にかかった時間はたったの10時間でした。

 

 

 

 

さらにこのモデルを現場で使いやすくするために、アプリケーション化を行いました。

プロットフォームはヘロクを用いて、ラインと連携するのにメッセージングAPIを用いて、データベースにはアマゾンエススリーを用いました。

また推論モデルの作成には、ラベリオを用いました。

 

 

 

 

 

 

本システムの活用風景をお示しします。

 

 

 

 

 

スマホのラインでQRコードを読み込み起動します。

褥瘡の写真を撮影し、送信ボタンを押すだけです。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、人工知能の解析結果がスマホに表示されます。

今回のケースでは、びらん・浅い褥瘡の確率が98%と表示されました。

 

 

 

 

 

 

つぎに、人工知能は治療の提案をしてくれます。

今回のケースでは、ポリウレタンフォームを貼付して、湿潤環境をつくりましょう。と提案してくれています。

治療方法の提案には、他にもいくつかバリエーションがあります。

 

 

 

 

 

これはフィルムを提案したパターン

 

 

 

 

 

 

 

これは薬剤を提案するパターン

 

 

 

 

 

 

「難しい症例なので、専門医をコンサルしましょう」

というパターンもあります。

 

 

 

 

 

つぎに、本研究の考察です。

今回の人工知能の現時点の的中精度は約80%くらいです。今後は、人工知能の精度をさらにあげたいと考えていますが、そのためには、もっとデータを集めなければなりません。

しかし、この作業は非常に骨が折れます。

そこで、データと専門家の知見をもっと集められる仕組みをアプリにいれてしまおうと考えました。

 

 

 

 

 

 

そこで次のような質問文をアプリに追加しました。

 

あなたはどう思いますか?

下のボタンをタップしてください。あなたのご回答により人工知能が再学習して、精度が高まります。

 

ここで、ボタンをタップしますと

送信された写真とタップされた情報が、クラウド上のデータベースに保存されます。

この保存されたデータベースを人工知能が再学習し、

人工知能の精度がさらに向上します。

 

 

 

 

 

 

人工知能が再学習すると精度が向上し、

精度が向上するとユーザー数が増え

ユーザー数が増えると、データ量が増え、

さらにこのデータを人工知能が再学習するとさらに精度が向上します。

このサイクルを繰り返すことにより、人工知能は成長し続けることになります。

 

 

 

 

 

 

このアプリは、現時点ではDESIGN-Rのすべての項目には

対応できていません。

いずれは専門家の仲間を増やして、

DESING-Rに対応できるアプリにしていきたいです!

 

 

 

 

 

 

 

 

以上、人工知能を用いて

褥瘡の診療支援システムを開発しました、